導入
格安SIMという言葉を聞いたことはあっても、仕組みや乗り換えの流れまでしっかり理解している人は意外と少ないものです。「安いのは知っているけど、通信速度や使い勝手は大丈夫なの?」「面倒くさそうだから結局キャリアのままでいいや」と思っている方も多いでしょう。この記事では、格安SIMの基本からメリット・デメリット、実際の乗り換え方法までを初心者向けにわかりやすく解説します。
格安SIMの基本仕組み
格安SIMは、大手キャリア(ドコモ・au・ソフトバンクなど)が保有する通信回線を借りてサービスを提供する「MVNO(仮想移動体通信事業者)」が発行するSIMカードです。自前で基地局を建設せず、既存のインフラを利用するため、設備投資や維持費が少なく、料金を安く設定できます。
-
MNO(キャリア) … 自社回線を持ち、通信網を整備している(ドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルなど)
-
MVNO(格安SIM事業者) … MNOから回線を借りてサービスを提供(IIJmio、mineo、日本通信SIMなど)
この仕組みのおかげで、ユーザーは大手キャリアと同じエリア・同じ電波を使いながら、月額料金を半額以下に抑えることができます。
格安SIMのメリット
-
料金がとにかく安い
大手キャリアで月7,000〜8,000円かかっていたスマホ代が、格安SIMでは月2,000円台まで下がることも珍しくありません。年間で5〜6万円の節約になります。 -
自由度が高い料金プラン
データ容量を1GB単位で選べる会社や、使わなかった分を翌月に繰り越せるプランなど、柔軟な選択肢が多いです。 -
契約期間や解約金の縛りがない
ほとんどの格安SIMは最低利用期間がなく、いつでも解約できます。MNP転出手数料も無料のところが増えています。
デメリットと注意点
-
混雑時間帯は速度が落ちやすい
お昼休み(12〜13時)や夜(20〜22時)に通信速度が落ちる傾向があります。動画をよく見る人は高速データ容量を多めにするか、Wi-Fi環境を併用すると安心です。 -
キャリアメールが使えなくなる
「@docomo.ne.jp」などのメールアドレスは使えなくなります。GmailやYahoo!メールへの移行が必要です。 -
実店舗が少ない
トラブル時に直接相談できる場所が少ないため、ネットで調べながら自分で設定する力が求められます。
乗り換えの流れ(ステップ解説)
-
スマホの対応確認
SIMフリー端末か、利用中のキャリア回線に対応しているかを確認。 -
MNP予約番号を取得
現在のキャリアで番号を引き継ぐ手続きを行う。 -
格安SIMを申し込む
プランとオプションを選んでオンライン申込。 -
SIMカードが届く
端末に挿入してAPN設定(ネットワーク設定)を行う。 -
開通テスト
電話やインターネットが使えるか確認して完了。
まとめ
格安SIMは、料金を大幅に節約できる一方で、少しの手間と通信速度への理解が必要なサービスです。仕組みを正しく理解しておけば、ほとんどの人にとってメリットのほうが大きい選択肢となります。